目の病気についてお答えします。
53歳男性
- 朝起きたら右目が真っ赤になっているのに気づきました。ほかに症状はなく、見え方もかわらないようですが…。
- 結膜(シロメ)の血管が切れて起こる結膜下出血と思われます。絵の具で塗ったようにべったりと赤くなるので目立ちますが、まず無害なものです。たいていは1週間前後で自然吸収されます。まれに、感染症(急性出血性結膜炎)のこともありますので、眼科受診をお勧めします。頻回に起こるようでしたら、内科の先生に相談して血圧測定、血液検査を受けるのも良いでしょう。
38歳男性
- 1週間前から突然左目に髪の毛のようなものが見えるようになりました。目の動きと一緒に動きます。症状は変わりませんが、友人から網膜剥離だと言われて心配です。
- 眼の中(硝子体)に濁りができて、その影が網膜に映るために起こる症状で、飛蚊症(ひぶんしょう)といわれるものです。濁りのかたちによって、髪の毛のようだったり、砂粒のようだったり、輪のようだったりします。網膜に何の異常もなく生じることがほとんどですが、眼底出血や網膜剥離、網膜裂孔が隠れていることもありますので、自己判断はせずに、眼科を受診することが大切です。
47歳女性
- 以前はよく見えていたのですが、最近本を読むと目がかすみます。また、何となく疲れやすくなってきているようで、時に頭痛もあります。
- 誰でも年齢とともに調整力(ピント合わせをする力)が少しずつ低下します。遠くがよく見えていた人は近くを見るのに不自由を感じるようになり、また近眼でメガネを使っていた人は近くを見るのにメガネを外したほうが良く見えるようになります。こうした変化は40歳を過ぎるころから自覚される方が多いようです。ご質問の状態は、この老眼の始まりではないでしょうか。眼の屈折度や調節力を検査した上で、適切な眼鏡を使われると良いでしょう。ただし、こうした漠然とした眼の疲れが緑内障の初期症状であることもありますので要注意です。
66歳女性
- 目がかすむので眼科を受診したところ、白内障と診断されました。手術は見えなくなってからでよいでしょうか。
- 「白内障は見えなくなってから手術する」は一昔前の考えで、現在では全く状況は異なっています。最近の手術器械および手術技術の進歩は素晴らしく、その結果、手術成績も以前とは比べものになりません。日常生活に不自由を感じるようになったら、主治医とよく相談の上、手術を前向きに考えると良いでしょう。わたしたちの眼科では最新のテクニックを駆使して、皆様に安全でストレスの少ない白内障手術を日帰りで提供しています。どうか気軽にお問い合わせください(日帰り白内障手術のページ参照)。手術についてわかりやすくまとめた当院オリジナルビデオ「安心:日帰り白内障手術~快適な生活のために~」もご用意しています。
40歳男性
- 人間ドックで眼圧が高いと指摘されました。自分では何の症状もありませんが、病気でしょうか。
- 眼圧とは眼の硬さを意味します。眼球の壁(角膜、強膜)は柔らかい組織でできているために、内側から押す力がないとそのかたちを保持できません。眼球の前半分には房水(ぼうすい)という特殊な水が循環していて、眼圧を適度に保つことで眼球の正常な働きを支えています。この眼圧が必要以上に高くなると、眼球の中でも特に視神経の障害が起こり、視野変化が生じてきます。緑内障です。当院では眼圧測定だけでなく、緑内障診断のためのさまざまな専門的な検査をいたしますので、心配せず受診してください。
6歳男子
- 就学時検診で視力が不充分だったため、眼科を受診したところ、遠視と不同視と言われ、眼鏡を勧められました。できればかけさせたくないのですが。
- 就学前のお子さんでは近視よりも遠視のことが多いので、軽度で視力がでていればまず問題ありません。中等度以上の遠視では視力に影響が出やすく、時に斜視(調節性内斜視)の原因にもなります。ご質問では不同視(左右の屈折度がちがうこと)もあるようで、こうした場合視力が充分に発達しないことも心配されますので、メガネをされることが望まれます。お子様の病気では、保護者が病状について充分な説明を受け、ご理解される(インフォームドコンセント)ことがまず重要です。当院では眼科検査のスペシャリストである視能訓練士が3名常勤して、子供の斜視弱視の検査・指導に積極的に取り組んでいます。
51歳男性
- 糖尿病で食事療法と内服薬を使用しています。内科医から眼科にかかるように勧められました。眼の症状は何にもないのですが。
- 糖尿病では血液中の糖濃度が高かったり、尿中に糖が検出されるだけではありません。病気の本体は血管病で、体中の細い血管(毛細血管)がダメージをうけ、さまざまな合併症が現れます。特に網膜症は日本人の中途失明の原因第1位となっている恐ろしい合併症です。軽症であれば内科診療のみで充分ですが、ある程度以上進んだ網膜症に対してはレーザー治療や硝子体手術が必要になります。自覚症状がなくても眼底出血の見られることが多いですから、内科医の勧め通り、眼科専門医を受診するのがよろしいでしょう。
73歳女性
- 半年くらい前から右目の涙が多くなり、まぶたもただれやすい状態です。何か良い方法はありますか。
- 涙は涙腺でつくられ、眼球の表面をうるおし、まぶたの内側に上下一対ある涙点から涙嚢、鼻涙管を通り鼻腔(鼻の奥の方)に流れ出ます。この通り道のどこかが狭くなったり、閉塞すると涙があふれるようになります(流涙症)。障害部位を開通させることが必要ですが、最近では専用のシリコンチューブを利用した効果的な処置もありますので、市販の点眼液だけで様子を見るだけでなく、眼科で相談してください。
21歳女性
- 一週間タイプの使い捨てコンタクトレンズ(CL)をしていますが、たいてい4~5日で充血してきて痛みもあります。あわないのでしょうか。
- 現在ではユーザーの要望に応じて、さまざまなタイプのCLが市販されています。どのタイプのCLであっても、直接眼球に接する医療用具ですから慎重な取り扱いが必要です。適切な環境(涙の状態、毎日のケア、装用習慣)でユーザーの目に適した(種類、サイズ、ベースカーブ)CLをすることが望まれます。不充分な条件下では角膜に傷がついたり、酸素不足になったり、ひどい場合には細菌感染による失明にもつながりかねません。気軽な自己判断はやめて、眼科専門医の診察を受けるのがベストです。また、もしもの時のためにバックアップ用の眼鏡を準備することも大切です。
9歳男子
- スギ花粉症があります。目が痒かったのでこすったら、白目がゼリーのようにふくれてしまいました。大丈夫でしょうか。
- スギ花粉症でお悩みの方は年々増加しています。時期になると花粉症対策の話題がマスコミでも取り上げられ、関心が高まっています。目の痒みに対しては抗アレルギー剤やステロイドの点眼が有効で、症状に応じて内服薬も使われます。お尋ねの症状は結膜浮腫といって、血液中の水分が白目の下にたまった状態と思います。たいていは1日で自然に吸収されますが、こすったために眼球にキズがついていないか確認する意味でも眼科受診がよいでしょう。
13歳女子
- 中学入学の頃より近視が進行し、黒板が見づらくなってきました。一度メガネをするとどんどん視力が悪くなると聞きましたが本当ですか。
- 良く聞かれる質問です。近視は、近くは見えますが遠くが見づらい状態です。授業に支障を感じるようであれば、眼鏡を前向きに検討してください。「仮性近視ではないですか」と聞かれることもあり、眼球の中のピント合わせをする筋肉(毛様体)の緊張を軽減させる点眼薬を処方いたしますが、効果はあまり期待できません。また、メガネをすることで近視がどんどん進むということも適切な表現ではなく、経過中の生活環境や成長といった影響のほうが多いのです。
25歳女性
- 会社でコンピュータを扱う部署に転属してから目の疲れがひどく、肩こりまでするようになりました。何か良い方法はありますか。
- VDT(VisualDisplayTerminal)症候群と思われます。ご質問の状況のような集中してものを見る環境下では、ふだんよりもずっと瞬きの回数が減ってしまいます。この結果、眼球表面が乾きやすくなり、ひどい場合荷は角膜(クロメ)にキズができてしまうこともあります。意識してゆっくりとした瞬きをすることと人工涙液の点眼がよろしいでしょう。また、作業中の姿勢や照明、空調の吹き出し口の位置などにも気を配る必要があります。
交通・アクセス
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